※この記事は映画の重大なネタバレを含みます。
全体的な感想
『オークストリートの異変』、結構面白かったです。
個人的には、
『ジョーズ』のドキドキ感
『ジュラシック・パーク』の壮大感
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムトラベル感
この辺を混ぜたような作品だなと感じました。
基本的には恐竜に追いかけられる映画なので、純粋に「うわ、逃げろ!」というスリルを楽しめる。
しかも難しい表現が多いわけでもなく、子供と一緒に観ても楽しめそうなファミリー映画。
……ただし。
ラストを除いては。
この映画、最後だけ急に方向性が変わります(笑)。
主な登場人物
まずは簡単に登場人物を紹介。
グレッグ(ユアン・マクレガー)
父親。
ちなみに『スター・ウォーズ』のオビ=ワン役でもおなじみ。
デニース(アン・ハサウェイ)
母親。
オードリー(メイジー・ステラ)
長女。
ブライアン(クリスチャン・コンヴェリー)
長男。
スターバック
犬。
この子が後々かなり重要。
ジャネット
ブライアンが片想いしている近所の女の子。
骨折兄弟
ブライアンが誤って骨折させてしまった弟と、その復讐を狙う兄。
メル
グレッグ一家の隣人。
ここから徐々にネタバレ
最初は普通の家族の日常から始まります。
ただ、その平凡な日常の中に少しずつ「歪み」が見えてくる。
グレッグとデニースの夫婦関係は、実はすでにかなり危うい。
長女のオードリーもそれに気づいています。
発端自体は本当に些細なこと。
グレッグは会社をクビになったことを家族に隠し、ピザの配達をしている。
でも、それを「副業」と言い張っている(笑)。
一方のデニースも、自分が小説を書いていることを隠している。
しかも地下室で、まさに今の家族の状況や、これから自分がしようとしていることを書いている。
そして面白いのが、
お互いにそのことを知っている。
この夫婦、もう結構ギリギリなんですよね。
グレッグとデニースは正反対
この2人の関係を見ていると、根本的には考え方の違いなんだと思います。
グレッグは、
「まあなんとかなる」
「自分がなんとかする」
という楽観的なタイプ。
対してデニースは現実主義。
冷静に状況を判断して、
「これは無理」
と判断したら、別の現実的な方法を選ぶ。
つまり、
性格が真逆。
でも、逆に言えば、デニースはそんなグレッグのことを嫌いになりきれないんですよね。
この後の展開を見ると、それが結構重要になってきます。
そして街に異変が起こる
ある夜。
風とともに光が走り、停電が起こります。
そしてスターバックが何かに反応するように吠えている。
翌日。
隣人のメルの庭に、
巨大な糞が大量に山積みに。
そりゃメルもブチギレます(笑)。
当然グレッグ一家が疑われるんですが、
「いやいや、そんなわけないでしょ」
と一蹴。
ところが同じくらいのタイミングで、デニースが小説を見てもらっている先生の庭に、とんでもないものを発見します。
それが、
現代では存在するはずのない、恐竜時代の植物。
少しずつですが、確実に何かがおかしくなっていきます。
街が恐竜時代になる
そしてある夜。
今までとは明らかに違う、強烈な光。
強烈な風。
そして停電。
今度は一時的な停電ではありません。
インフラが全部死ぬ。
スターバックもいなくなる。
グレッグ一家は周囲の安全を確認するため外へ出ます。
そこで見たものは……
2億年前の世界。
街の境界には池ができていて、外へ出ることもできない。
そして次第に現れる恐竜。
人々は淡々と襲われていきます。
ここが個人的に面白かった。
普通こういう映画って、
「恐竜だー!」
「逃げろー!」
「キャー!」
みたいになるじゃないですか。
でもこの映画、
割と淡々と襲う。
狙われている人だけが必死に逃げていて、周りの人たちは特に助けない。
だから妙に静かなんですよね。
一家の連携がすごい
グレッグ一家は家を補強して、恐竜対策を始めます。
そしてここが面白い。
夫婦関係はあれだけギスギスしていたのに、
恐竜が出た瞬間、めちゃくちゃ連携が取れる。
「家族を守る」という一点では一致しているんですよね。
しかし周囲の人間が少しずつ襲われていき、食料もなくなる。
助かる見通しも立たない。
徐々に追い詰められていきます。
そしてある夜、グレッグとデニースが口喧嘩。
その最中にブライアンがスターバックの鳴き声を聞いて外へ。
それを見たオードリーも外へ。
「おいおい、今外出るの!?」
となるんですが、最終的には両親まで、
「もう口喧嘩してる場合じゃない!」
と一家総出で外へ(笑)。
そしてここもB級映画感があって好き。
あれだけ危険な恐竜がいるのに、夜の街を普通に歩き回るんですよ。
いや、さっきまで恐竜に人食われてましたよね?
っていう(笑)。
ここから大事なネタバレ
探索中、グレッグとデニースは不思議な光る球体を発見します。
しかも以前、異変が起こった夜と同じように光っている。
ここから2人は、
「これ、時空を繋ぐ穴なんじゃないか?」
と推察。
つまり、
ワームホール。
タイムマシンのようなものだったわけです。
唯一の希望を見つけた2人。
でも家族がまだ全員揃っていない。
なので、
「全員揃ってから、このワームホールを使おう」
と決めます。
そして家族が合流
いろいろありながらも、恐竜に襲われつつブライアンとオードリーが合流。
その途中で出会ったジャネットも合流。
家に隠れて助けを待っていると、グレッグとデニースも戻ってくる。
家族全員集合。
希望のワームホールもある。
これはもう……
めでたしめでたし。
……と思うじゃん?
そんなわけない(笑)
ここから超ネタバレ。
家族が合流する少し前。
グレッグとデニースは、巨大な恐竜が繁殖行動中なのを目撃します。
あまりにも凄まじい光景。
そして、
「こんなの一生見ることないよね」
みたいな感じで、2人とも思わず笑ってしまう。
さらにデニースが、
「この恐竜を背景にしてグレッグの写真撮りたい」
と言う。
グレッグも笑いながら応じる。
このシーン、結構好きなんですよ。
夫婦関係はボロボロだったけど、こういうところを見ると、
「デニースはこういうグレッグの部分が好きだったんだろうな」
と思わせてくれる。
……ただし。
この写真が、
グレッグの遺影になるとは、この2人はまだ知らない。
グレッグ、主人公補正を失う
家に戻ろうとする一家。
しかし恐竜に襲われます。
デニースが食われる寸前まで追い込まれる。
でもアロサウルスの頭が柱と柱の間を通れない。
ギリギリの攻防。
柱も限界。
もうダメかと思ったところで、グレッグが恐竜の注意を引く。
そしてハンマーで、
クリーンヒット!!
アロサウルス撃破。
「おおおお!」
めでたしめでたし。
……と思った瞬間。
後ろで、
むくり。
アロサウルス復活。
そしてグレッグの足をガブッ。
そのまま空中へ。
何もできないグレッグ。
そして……
あっさり食い殺される。
主人公補正どこ行った???(笑)
文字通り、自らを犠牲にして家族を助けたグレッグ。
ここは普通に衝撃でした。
デニースの切り替えが早すぎる
グレッグが目の前で食われる。
子供たちはパニック。
でもデニースは冷静に、
「見ちゃダメ!」
と子供たちを止める。
さらに恐竜が捕食中は他の獲物を追わない習性を利用して、その場から逃げる。
この切り替えの早さ。
さすが現実主義者。
ただ、
夫が食われた直後にここまで判断できるのすごい。
希望のワームホールへ
一家は最後の希望である光の球を探して歩き回ります。
そしてついに発見。
ところが、いろいろあって最初にワームホールへ飛び込むことになったのが、
ブライアン。
母親から、
「8秒おきに玉が消えるから、8秒数える間に飛ぶのよ!」
と言われます。
しかも球は屋根付近の高い場所。
ブライアンはビビりながら待つ。
そして、
8秒ギリギリまで待ってからジャンプ。
当然、
飛んだ瞬間に球が消える。
そのまま地面へ落下。
足を負傷。
さらに恐竜に襲われる。
なんでギリギリまで待ったんだよ(笑)。
しかし、ここでまさかの救世主。
スターバック登場
スターバックが現れて恐竜を追い払います。
そういえばブライアン、弓を持ってるんですよ。
でも腕は全然。
つまり、
本命はスターバックだった。
犬、強い。
なんとか仕切り直し、今度は全員でワームホールへ。
無事成功。
そして時は、
恐竜時代になる数十分前へ。
戻った。
これで助かった。
……と思うじゃん?
ここから衝撃のラスト
デニースは時間がないことに気づきます。
間に合わなければ、また恐竜時代へ飛ばされてしまう。
そこで電話をかけ、街の外へ出るように指示。
ただし、ここで問題がある。
グレッグにはもう一人のグレッグがいる。
恐竜時代を経験していないグレッグです。
そこでデニースは、ピザの出前を頼む。
そして、
自分たちを知らないグレッグを呼び寄せる。
やってきたグレッグ。
家族は感激。
泣きながら再会。
めでたしめでたし。
んなわけあるかーい!!!
いやいやいやいや(笑)。
グレッグ以外の家族どこいった!?
グレッグ無しで恐竜時代やんの!?
成長したグレッグじゃないグレッグで本当にいいの!?
そして、
もう一人のデニースは!?
ここ、観終わった瞬間に頭の中が「?????」になりました。
目的達成のためなら容赦がないデニース。
ある意味、最後まで現実主義者だったのかもしれません(笑)。
しかもジャネットは2人いたような気がする。
「実はデニース一家も2人ずついたんじゃないか?」
というレビューも見かけましたが、個人的には一瞬すぎてよく分からなかった。
このラスト、どういうこと?
ここがこの映画で一番議論になりそうなところ。
実は元の案では、
グレッグは死んだままになる予定だった
という話もあるらしい。
それを直前で変更したことで、現在のラストになったとか。
もし本当にそうなら、
「なるほど、だから最後が妙にホラーっぽくなったのか?」
とも思ってしまう。
だって、
家族を救うためにグレッグは死ぬ。
↓
過去に戻る。
↓
死ぬ前のグレッグを呼ぶ。
↓
でも恐竜時代を経験した家族はどうなる?
という、かなり恐ろしい話になっている。
まとめ
個人的には、ラスト以外はかなり楽しめました。
恐竜に追いかけられるスリル。
家族それぞれの性格。
夫婦関係。
タイムトラベル。
そして恐竜時代。
全体としては分かりやすくて、子供と一緒に楽しめるファミリー映画という印象。
だからこそ……
最後だけ急に「どういうこと?」となる。
ここは人によってかなり評価が分かれると思います。
「続編があるんじゃないか?」
と思わせる終わり方でもあるんですが、原案を直前に変更したという話が本当なら、続編を想定したものではないのかもしれません。
ただ、このラストのおかげで、
「あれってどういう意味?」
「もう一人の家族はどうなったの?」
と観終わったあとに議論したくなる映画になっているのも事実。
個人的には、
普通に恐竜映画として楽しんでいたら、最後の最後に別の映画を見せられたような感覚でした(笑)。
『オークストリートの異変』、
恐竜から逃げる映画だと思って観たら、最後に一番怖かったのは人間だった。
そんな作品でした。

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